沼の王の娘

カレン・ディオンヌ『沼の王の娘』を読みました。


最近とみに集中力が落ちてきてなかなかフィクションが読めなくなってきてるのですが、『魔眼の匣の殺人』だったか『カッコーの歌』だったかあたり以来、ようやく娯楽文芸にたどり着きましたよ(ちなみに今のところ今年のぼくのベストは『カッコーの歌』です)。

 

『拳銃使いの娘』に続く本年2冊目の「犯罪者の娘」ものです。『拳銃使いの娘』(これはすばらしい出来です)とだいぶ趣きは異なりますが、こちらもとてもおもしろかったです。
前者は脱獄した父と逃避行に出る娘ですが、本作は脱獄した父を狩る娘(もちろん父のハンティング技術は英才教育ですべて習得済み)です。

 

ほらこの設定だけでもうまちがいないでしょ。

 

あえて不満をあげると、現在と過去が交互に語られるのですが、過去の比重が高く感じたのでもうちょっと後半の父娘の駆け引きが長くてもよかったかも。
それにしても最近現在と過去のザッピングで進める形式をよく見かけるのですけど、どうなんですかね。なんらかのしかけがほどこされてる場合は別ですが、著者の作意というか情報コントロールの都合が透けてる感じがしてあまり好きではないのですけど。はやってますよね。

 

なので、本作だと現在パートのターニングポイントまでを第1部、過去パートを第2部、現在パート残りを第3部だと完全にぼくの好みになります。

 

とはいえこれだけヘビーな内容にもかかわらずあっという間に読んでしまいましたので、おすすめです。

 

なんとか仕事に活かせそうな(?)読書ができましたが、広い心で解釈してもやはり10冊に1冊ぐらいなのかも。とほほ。

 


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